この記事は、「ホームページ制作の依頼を検討しているけれど、何をどういった順番で用意したらいいのか分からない」という人向けに、必ず押さえておきたい具体的な準備の内容を詳細にご紹介します。

制作を依頼する前に適切な準備を行わないと、時間やコストが無駄になり、期待していたクオリティのものが出来上がらない可能性があります。そればかりでなく、その後の運用やビジネスの目標達成にも大きな影響を与えます。

是非、このガイドを参考にしてください。

まずはここから!ホームページ制作の目的と目標を明確にする

ホームページ制作の目的と目標を明確にする

ホームページの役割と期待される効果を定義する

ホームページを制作する際には、まずその目的を明確にすることが最重要です。企業や個人事業主がホームページを持つ目的はさまざまですが、大きく分けると以下の3つに分類できます。

  1. 【集客】
    商品やサービスを提供するために、多くの人にサイトを訪れてもらい、最終的には購入や契約につなげることが目標です。たとえば、ECサイトの場合、訪問者を購入者に転換することが目的となります。
  2. 【ブランディング】
    企業のイメージを向上させたり、ブランドの認知度を高めたりするためにホームページを利用します。たとえば、企業の歴史や理念、社会貢献活動などを紹介し、信頼感や共感を得ることが目標です。
  3. 【情報提供】
    自社の製品やサービスに関する情報をユーザーに提供することを目的とする場合です。たとえば、製品の詳細なスペックや使い方のガイド、よくある質問の回答などを掲載し、ユーザーに役立つ情報を提供します。

ターゲットユーザーを具体的にイメージする

次に、ホームページを訪れることになるターゲットユーザーを具体的にイメージしましょう。ターゲット層を明確にすれば、訪問者に響くコンテンツやデザインを上手くホームぺージに落とし込むことができます。

  1. 【ペルソナ設定】
    ペルソナとは、ターゲットユーザーを具体的に描いた架空の人物像です。年齢、性別、職業、趣味、ライフスタイル、抱えている問題やニーズなどを具体的に設定します。たとえば、30代の働く女性で、忙しい中でも効率的に情報を得たいというニーズを持つとします。この場合、そのペルソナに向けて、情報が簡潔でわかりやすいデザインやナビゲーションが求められます。
  2. 【ターゲット層に響くコンテンツとデザインの方向性】
    ペルソナ設定をもとに、ターゲット層に響くコンテンツやデザインを構築します。たとえば、若年層をターゲットにするなら、ビジュアル重視のコンテンツやモバイル対応のデザインが重要です。一方、ビジネス層をターゲットにする場合は、信頼性や専門性を強調する内容が求められます。

必要なコンテンツと機能をリストアップする

ホームぺージ制作必要な機能

必要なページとその内容を決める

ホームページ制作の目的と目標が決まれば、まず考えるべきことは、どのページが必要かを決めることです。基本的には以下のようなページが必要となります。

  • 【トップページ】
    サイトの顔となるページで、訪問者が最初に目にする重要なページです。ここでは、ビジネスの概要や提供するサービス、最新情報などを簡潔に紹介します。
  • 【会社案内ぺージ】
    代表挨拶や会社概要、企業理念、スタッフ紹介などを掲載するページです。訪問者に信頼感を与え、企業の背景や価値観を伝えることができます。会社の歴史やこれまでの実績を記載することで、信頼性を高める効果もあります。
  • 【サービス紹介ページ】
    提供するサービスや製品の詳細を説明するページです。各サービスの特徴やメリット、価格帯などを明確に伝えましょう。
  • 【問い合わせフォーム】
    ユーザーが直接質問や依頼を行えるページです。コンタクトを取りやすくすることで、リード(潜在顧客)の獲得につながります。

これらの基本ページに加えて、ビジネスの特性に応じたページを追加することも検討しましょう。例えば、「お客様の声」や「FAQ(よくある質問)」など、ユーザーが求める情報をスムーズに得られるページを作成すると効果的です。

必要な機能やツールを洗い出す

ホームページを運用する際には、ユーザーの利便性(ユーザビリティ)やビジネスの効率を考えた機能を追加することも検討しましょう。以下は代表的な機能の例です。

  • 【EC機能】
    物販を行う場合には、オンラインでの注文や決済が可能なEC機能が必要です。
  • 【予約システム】
    サロンやクリニック、飲食店など、予約が必要なビジネスにはオンライン予約システムが有効です。ユーザーは24時間いつでも予約ができ、店舗側も予約管理が容易になります。
  • 【ブログ機能】
    定期的な情報発信を行うために、ブログ機能を導入することをおすすめします。ブログは検索エンジンでの露出を高める効果があります。SEO対策として効果を発揮し、コンテンツマーケティングの一環としても有効です。
  • 【SNS連携】
    SNSのアカウントを持っている場合は、ホームページと連携させることで、ユーザーのエンゲージメントを高められます。例えば、最新のSNS投稿をホームページに表示させたり、各ページにSNSのシェアボタンを設置することで、SNS経由のトラフィック(流入)を増やすことができます。

これらの機能やツールを導入する際には、ビジネスのニーズに合ったものを選ぶことが大切です。

予算とスケジュールを計画する

予算とスケジュール

制作費用の見積もりとコスト管理

次に、ホームページ制作の予算を決めましょう。まず、あなたのビジネスにとってホームページがどのような役割を果たすのか、そしてその目的を達成するためにどの程度の投資が必要なのかをしっかりと考えましょう。

「低コストで高品質なホームページを」と考えるのは当然ですが、現実的にはそのような方法は難しいと理解しておく必要があります。高品質なホームページは、各分野で専門的なスキルを持つプロフェッショナルたちの力を結集して初めて実現します。

予算を決める際は、次の3つのポイントを考慮しましょう。

  1. 【全体の予算の決定】
    ホームページ制作の予算は、一般的に制作内容や規模に応じて変動します。例えば、シンプルなコーポレートサイトであれば30万~100万円程度が相場ですが、ECサイトや高度な機能を持つサイトでは、100万~300万円以上の予算が必要になることもあります。予算の上限を決めた上で、その範囲内で実現可能な内容を検討しましょう。
  2. 【優先順位を付ける】
    予算内でどの要素に重点を置くかを決めることが大切です。例えば、デザインにこだわりたい場合はデザイン費用を優先し、他の要素を調整する必要があります。また、機能面に力を入れたい場合は、機能の開発費用を重点的に配分します。
  3. 【見積もりの比較とコストの内訳を理解する】
    複数の制作会社から見積もりを取り、それぞれの内訳を比較検討しましょう。見積もりには、デザイン費用、開発費用、コンテンツ作成費用、ディレクション費用などが含まれることが一般的です。各項目が適正な価格であるか、どの程度のサービスが提供されるかを確認することが大切です。

現実的なスケジュールを立てる

ホームページ制作は、依頼すればすぐに完成するものではありません。現実的なスケジュールを立てることが、プロジェクトをスムーズに進行させる鍵となります。

  1. 【制作期間の目安を知る】
    一般的なコーポレートサイトの制作には、2~3ヶ月が必要です。コンテンツの量や機能の複雑さに応じて、この期間は変動します。例えば、ECサイトや多言語対応サイトの場合、4~6ヶ月以上かかることもあります。
  2. 【ステップごとの時間配分】
    制作プロセスは、設計、デザイン、開発、テスト、公開という段階に分かれます。それぞれの段階にどれくらいの時間がかかるかを事前に把握し、全体のスケジュールを組み立てます。例えば、設計段階に1ヶ月、デザインに1ヶ月、開発に1ヶ月というように、各ステップに余裕を持って十分な時間を確保しましょう。
  3. 【デッドラインとその管理方法】
    各ステップごとにデッドライン(期限)を設定し、その進捗を定期的に確認することで、全体のスケジュールが遅れないよう管理します。制作会社とスケジュールを共有し、柔軟に対応できる体制を整えることが重要です。

参考サイトを選出して提示する

制作会社に依頼する際、参考になるサイトを提示できれば、希望するデザインや機能を的確に伝えることが出来ます。制作側も、クライアントの希望するイメージを具体的に把握できるので進行がスムーズになります。

参考サイトの選出には、ギャラリーサイトが役立ちます。ギャラリーサイトとは、さまざまなWebデザインのアイデアやトレンドを集めて紹介しているウェブサイトのことです。代表的なギャラリーサイトに、『MUUUUU.ORG』『I/O 3000』『SANKOU!』などがあります。こういったギャラリーサイトは大変参考になりますので、是非活用しましょう。

また、参考サイトを提示する際は、単に「このサイトが好き」と伝えるのではなく、「この部分のデザインが気に入っている」「この機能を取り入れたい」といった具体的なポイントを明確に伝えることがポイントです。

おすすめギャラリーサイト
[ 参考記事 ] ホームページ制作の参考に!おすすめのギャラリーサイト【2024年】

ホームぺージ制作に必要な素材と情報を準備する

素材と情報を準備する

次に、ホームページ制作をスムーズに進めるために、事前に必要な素材や情報をしっかりと準備しましょう。以下に具体的な項目を挙げます。

画像やテキスト素材の整理

ホームページに掲載する画像やテキスト素材は、サイトの見栄えや使い勝手に大きな影響を与えます。以下のポイントに注意して、必要な素材を準備しましょう。

  • 【ロゴの準備】
    ロゴは、ブランドの顔とも言える重要なビジュアル要素です。ホームページで使用する際には、解像度が高く、背景が透明なPNG形式のファイルが無難です。また、複数のサイズやカラーバリエーションを用意しておくと、デザインの自由度が高まります。ロゴが無い場合は、この機会に作成するのがよいでしょう。ただし、別途費用がかかります。
  • 【写真や動画の準備】
    写真や動画は、サイトの魅力を最大限に引き立てるための重要な素材です。可能であれば、オリジナルで高品質な素材を用意することをお勧めします。必要に応じて、プロのカメラマンや動画クリエイターに依頼することも検討しましょう。また、ファイルサイズが大きくなりすぎないように、適切に圧縮して最適化することが大切です。画像や動画は、時にテキスト以上の訴求力を持つため、特にこだわりを持って選び、準備する部分です。
  • 【テキスト原稿の作成】
    ホームページのテキストは、ユーザーにとってわかりやすく、魅力的である必要があります。まず、各ページに掲載する情報の概要を決め、具体的な文章に落とし込んでいきます。特にトップページのキャッチコピーや会社紹介文は、訪問者に強い印象を与えるため、じっくりと時間をかけて作成しましょう。SEOを意識したキーワードの自然な挿入も忘れずに。国内市場で人気のある検索キーワードを活用することで、検索エンジンでの評価が向上します。難しい場合は、制作会社のWebライターに任せる事も可能ですが、費用がかかります。

ドメインやサーバーの準備と設定

ホームページの公開にはドメインとサーバーが必須です。

  • 【ドメイン名の選び方と取得方法】
    ドメイン名は、ホームぺージの住所のようなもので、ユーザーが直接アクセスするための重要な要素です。短く、覚えやすいものを選ぶことが基本ですが、ビジネスの内容やブランドを反映した名前を選ぶと良いでしょう。ドメインの拡張子(.com、.jp、.netなど)も考慮する必要があります。日本国内向けのサイトの場合、.jpドメインや.co.jpドメインを使用すると信頼性が高まります。ドメイン名の取得は、ムームードメインやお名前.comなどのサービスを利用すると簡単に行えます。
  • 【ホスティングサーバーの選定と初期設定】
    ホスティングサーバーは、ホームページの公開場所となる重要なインフラ(ホームぺージの土地に例えられます)です。選定する際には、信頼性とサポート体制やセキュリティなど考慮して慎重に選びましょう。

ご自身で選定するのが難しい場合は、制作会社に相談し、契約を代行してもらう事も可能です。その際は、ドメインとサーバーの所有権とアクセス権限について必ず契約前に確認しておきましょう。

ドメインとサーバーの基礎知識
[ 参考記事 ] ホームページ制作で重要!知っておきたいドメインとサーバーの基礎知識

依頼前に確認しておきたい業者選びのポイント

ホームページ制作を成功させるためには、信頼できる制作会社を選びましょう。

制作会社を選ぶ際、まず注目すべきはその会社の過去の実績とクライアントからの評価です。具体的には、ポートフォリオや過去に手掛けたプロジェクトの事例をチェックすることで、その会社がどのようなデザインや機能を提供できるのかが分かります。

また、ホームページ制作では、制作会社との円滑なコミュニケーションが欠かせません。特に初回の打ち合わせは、会社の対応力や相性を見極める絶好の機会です。また、担当者(Webディレクターなど)の人柄や相性も大事です。

まず、初回打ち合わせでの対応を確認しましょう。質問に対して的確な回答が得られるか、こちらの要望をしっかりと理解してくれるかがポイントです。また、提案内容がこちらのビジョンや目標に合っているかどうかも大事です。

制作会社のコミュニケーション力は、プロジェクトの成否を左右します。しっかりと対応してくれる会社を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎ、理想のホームページ制作が実現できるでしょう。

ホームページ制作会社の選び方ガイド
[ 参考記事 ] 初心者でも安心!ホームページ制作会社の選び方ガイド

ホームページ運用の準備

運用計画の立て方

ホームページを制作した後、継続的に運用していくための計画を立てることが重要です。ホームぺージは制作するだけでなく、運用がとても重要です。運用計画には、どのような頻度でコンテンツを更新するか、SEO対策をどのように進めるか、さらにSNSやメールマーケティングといった他のデジタル施策とどう連携させるかを含めます。

例えば、月に一度はブログ記事を更新する、四半期ごとにSEO対策の見直しを行うなど、具体的なスケジュールを作成します。また、運用に必要な人員や予算も事前に計画しておくと、スムーズに進行します。

アクセス解析ツールの導入

googleアナリティックスのデモ画像
引用:Googleアナリティックスのデモ画像

ホームページ運用の成功には、ユーザーの行動を正確に把握することが欠かせません。そのためには、アクセス解析ツールの導入が必要です。日本国内で多く利用されているのが「Googleアナリティクス」です。無料で使えるツールでありながら、訪問者数、ページビュー、滞在時間など、詳細なデータを収集でき、ホームページの改善に役立ちます。

また、「Googleサーチコンソール」を併用することで、検索エンジン経由での流入状況や、どの検索クエリでアクセスが来ているかを把握することも可能です。

ユーザーからのフィードバック収集

ホームページの運用では、ユーザーからのフィードバックを収集することも重要な要素です。フィードバックは、今後の改善や機能追加のための貴重な情報源となります。

具体的な方法としては、サイト内に簡単なアンケートフォームを設置したり、定期的にメールでユーザー満足度調査を行ったりする方法があります。また、SNSを活用してユーザーの意見を募るのも効果的です。

収集したフィードバックをもとに、サイトの改善を進めることで、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させ、リピーターや新規顧客の増加につなげることができます。

まとめ

ホームページ制作を成功させるためには、何よりも事前準備が重要です。しっかりと目的や目標を明確にし、必要なコンテンツや機能、予算、スケジュールを事前に計画することで、制作プロセスがスムーズに進行し、結果として満足のいくホームページを完成させることができます。

目標の不明確さや準備不足が原因で予算超過やスケジュール遅延が発生するケースも多いため、事前準備を怠らないことが肝心です。

この記事で紹介した各ステップを一つ一つしっかりと押さえ、最終確認を忘れずに行うことで、ホームページ制作がスムーズに進行し、期待通りの成果を得られるはずです。成功への第一歩は、丁寧な準備から始まります。ぜひ参考にして、理想のホームページ制作を実現しましょう!